○SSの引き出し

・きらきら輝く空を見つめて…☆


晴れ渡る空。
まだ堅い制服。
同じ学校出身の友達と
ざわざわお喋りしながら
坂道を登る。
みんなそれぞれ似たような思いを抱いている。
「ざわざわざわ…すぅー。っとん!ざーーー。」
心の中はこんな感じ。

私は引っ越してきたから
誰とも一緒じゃない。
靴箱前のクラス発表だって
教室への階段だって
誰とも一緒じゃない。
けど、寂しくなんかない。
さっきから、
そう、教室で席についたさっきから
じーっと動けずにいるあの子に声をかけたもの。
その子も一人なんだって。
前の所にちょっぴり未練、そんな感じみたい。
だから、「しょたいめん」だけど
私のとっておきを見せてあげたの。
「これね、周りの風景が見えるの。」
大切な大切な万華鏡。
覗くと教室の黒板や教卓がきらきら光ってぐるぐる見えた。

そうやって楽しんでいると
知らない人がきらきら光ってぐるぐる見えた。
「それなぁに?」風景が紺色いっぱいになった。
「これね、周りの風景が見えるの。」

きらきら輝く空をみんなで交代ばんこに見る。
うん、絶対ここでの生活好きになる。






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