鳥居の赤はトリッキーだ。 上っているのか下っているのかも定かでない中、 歩きつつそう思う。 人の殆ど居無い村で神社の存在を知った。 何の神だろう。 思っている内に向かっていた。 一人が守っている所らしい。 祭りが無い。 神事が無い。 村民は神を大切にしはしないのだろうか。 そもそも本当に神社なのだろうか。 見えた。 建物であることは間違いない。 人が居。た。 椀がある。 白いあれは何だ。 そっと履き物を脱ぎ上がり、 少し歩いて手を伸ばした。 …ところ、その子は気づかぬうちに現れ それを拾うと部屋の隅へ立った。 笑い声が聞こえたような気がした。 竹箒が倒れたそちらに目をやると 「いらっしゃい」と言われた。 一瞬、女性かと思ったが男性のようだ。 神主の格好である。 「どうも」とだけ短く答える。 お茶をもらいここについて聞く。 「山の神です。 若者も村には少なくなりまして 祭りはもうありません。 ご老体でここまで上がって頂くのもなんですから。 確かに神社らしくないかもしれません。 神もお怒りにはなりませんでしょう。 一応ここは守ってあります。」 静かでやさしい口調だった。 日も落ち、一晩泊まらせてもらい、 今、村へ入っていく。 池に余計な物を捨てると、村家に入った。 空き家減ひとーつ。 |