メールが届く。 「おはよう。」 何気ない言葉が嬉しかったりする。 「元気?」 心を何かどきどきを秘めた元気なものが満たしていく。 「それじゃ!」 決して返信が欲しいだなんて書いてはいない。 「(^0^)/~~~」 でもそれが居心地の良い感じを与える。 メールが届く。 「今日、学校で」 送られてくる文字。伝えている言葉たち。 「と思うんだ。」 伝わってくる言葉たち。でも、それって 「どう思う?」 おんなじなんだろうか? ばさっ。ベッドの上に倒れ込んでみる。 うさぎのぬいぐるみを抱きしめて考えてみる。 何かで聞いたことがある。 「あなたは伝えているが、その言葉は伝わっているか」 うさぎのぬいぐるみを高い高いでもするように持ち上げた。 「伝わって…る?」 時が流れた。何もない時が流れた。 ぬいぐるみを置き、ベッドに腰掛ける。 「どうしたら、伝わる?」 長い間メールのみが続いている。 いろんな話をするけれど、よく考えてみたら知らないことって多い。 ふぁさっ。そのまま横に倒れてみる。 顔も見たことはあるし、声も聞いたことはあるけど、よく覚えてない。 メールしている時に思い浮かべたり、なんてこともない。 もしかしたら、すっごくからっぽな時を私たちは過ごしてきた? だんだんよくわからなくなってきてごちゃごちゃになってきて、 ケータイから手を離そうとした、時、ケータイから 昨日、手打ちで入れた曲が流れ、震えた。 「もしもし?」 「もしもし?」 「元気?」 「うん、そっちは?」 「元気元気。あのさ…」 心の中がもどかしさでいっぱいになって、ぐるぐるしてきて、 思わず口をついて出た。 「会いたいよ」 そうか、そういうことだったんだ。なぁんだ。 ちっともからっぽなんかじゃなかった。 ただ、見えなかっただけなんだ。 その証拠に、ほら、今、、、 向こうから駆けてくる。忘れてないよ。その顔も。 「おはよう。」 その声も。 「おはよう。」 嬉しい。本当に。 見えない時間に不安になり過ぎていただけ。 今の時間ははっきり見えている。 けれど、見えなかった時と同じように大事に気をつけていたい。 嬉しい気持ち、ぐしゃぐしゃにかき混ぜてしまう必要はない。 ケータイはかばんの中に入っている。大切なメールをメモリーに詰めて。 任せて。次からメモリーは私の中に蓄積していくの。 |