怖い。恐い。こわい。どうしよう。 目の前にはいつもどおりの風景なのだけれど 心臓だけはばくばく言っている。 怖い。恐い。こわい。どうしよう。 不安だけが膨張する。爆発するかもしれない。 どこか隅の方にひびが入ったような気もする。 怖い。恐い。こわい。どうしよう。 考えられない。どうしようもないのだ。 水槽の中の金魚か。 周りの景色がゆがんで見える。 なんでもない日。 通り慣れていこうとする道の途中。 天気は良く、時間は午前。 僕は昨日とも一昨日とも変わりなく 歩いているようだけれど、違うんだ。 こわくてこわくてたまらなくて 壊れてしまいそうだけれど 必死に必死に堪えているところ。 何がこわいって? まず、今がこわい。 どうしたらいい? このまま道を進んで向かうんだね? でもその先で何か間違いを起こすかもしれない。 完璧は無理かもしれない。いや、無理だろう。 失敗したらどうしたらいい? それに、今までがぼんやりしてるんだ。 月並みな表現だけれど 敷かれたレールの上を転がりながら進む 貨物列車にでも乗っていたんだ。 それが、突然おろされたってことだよ。 何がいちばん不安にさせているかって それは見えない意味わかんないこれからのことだね。 僕は何?何ができる?何の役に立つんだ? なんでもないふりをしながら見回してみる。 誰も僕のことなんか気にかけちゃいないよ。 必要とされてもいないし邪魔にされてもいない。 いてもいなくてもいいんだ。 むしろ、役に立たない人間なんて要らないんじゃないか。 そうだ、きっとそうだ。 ああ、僕はどうしたらいい? ここまで来てしまったんだよ? 踏み出せなくなってしまった。 |